8年前に「夜をゆく」の絵を描いたのは、動物の名前を持つ子供たちが
名前と同じ動物のお面をつけて代々の先祖が眠り、そして自分達も
いつか還るであろう場所を探して旅をするような絵を描いてみたいと思ったのが始まりでした。

この子(性別不明)は「夜をゆく」の絵で真ん中左にいる、お守りを首から下げて楽器?を背負い
笠を目深にかぶった子です。最初からこの子のみ、自分の名前を象徴する動物のお面をつけていません。
おそらく一番最近お面団に入った子で、緊張のせいか唇をぎゅっと噛みしめています。

出発の場面を描いた「夜をゆく」の絵では仲間が沢山いましたが、旅の途中で一人また一人と力尽きてしまったのでしょう。
この絵は当初満開の桜の木の下にいる絵だったのですが、
「辿り着く場所はいつもきれいで美しいとは限らない、先祖の魂の宿る樹はとっくに老いさらばえていて、
一緒に歩んできた仲間はことごとくいなり、月も出てない暗い空が、ただただぽっかりとあるだけなのかも」
そう思いつつ、描きながらどんどん変化していった絵でした。
描き終わった後で、オワ丸さんがこの絵の傘の本数と「夜をゆく」の絵に描かれたお面の子供達の人数
(楽器の子と狐の面の子達と小さいお茶会をしてる2人をを除く)が同じだと気付きました。
数えながら描いたとかではなく、全くの偶然だったのですが・・・。何かうわわーっ!となりました。

「夜をゆく」から8年、ようやくかれらの旅の終わりを描く事ができました。
今まで描いてきた絵の中で唯一、自画像(顔ではなく、心情の)と呼べるかもしれない子です。
いつか花の咲いたこの樹の下で、この子が微笑む日が来る事を静かに祈ろうと思います